定年後の起業「シニア起業」で密かに人気となっている焼き芋屋さん開業。その人気の理由とは?

定年後の生き方を模索している人のあいだで密かに人気となっている焼き芋屋さん。焼き芋屋さんといえば昔から街中で見かけることがありますが、なぜ今人気があるのでしょうか。

この記事では焼き芋屋さんの人気の秘密や、開業のメリット・デメリット、開業する際の注意点などについて解説します。

なぜ人気?人生を豊かにする「焼き芋屋さん開業」とは?

「ぽー」と音を立てて街の中をのんびり走り、時には街角で香ばしくおいしそうな香りを漂わせている焼き芋屋さん。サツマイモが日本で食べられるようになった1600年代から焼き芋は食され、江戸時代から明治にかけて焼き芋専門店ができるほど、焼き芋は庶民にとって魅力的なおやつとなりました。

その後、高度成長期とともに移動式の石焼き芋店が登場しましたが、ファストフード店の台頭で衰退。しかし近年の健康志向の高まりに合わせて、再び焼き芋にスポットライトが当たるようになったのです。

甘くてトロトロの食感や、ねっとりした甘みの強いサツマイモの改良も焼き芋屋にとって追い風となりました。

最近ではスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも焼き芋が購入できるようになりましたが、コミュニケーションをとりながら目の前で焼き芋を選ぶこと、「今日も来てるかな?」というお客さまの期待に応えながら販売する楽しさといった焼き芋屋さんの魅力に目覚める方が増えています。

また、定年後、人とあまり関わりを持たなくなった方や、夫の定年に合わせて専業主婦業も卒業し自分の時間を大切にしたいと思う方からも、起業のハードルが低い焼き芋屋さんに注目が集まっています。

焼き芋屋さん開業のメリットとデメリット

定年後の起業として人気のカフェ開業に比べて、焼き芋屋さん開業はどのようなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。

焼き芋屋さん開業のメリット

  • 店舗が不要
  • メニューは焼き芋だけ
  • 資格不要
  • 開業資金が少ない
  • 人件費がかからず人を教育しなくて済む
  • 競合との差別化戦略が不要

焼き芋屋さんの開業は、上記のようなメリットがあります。たとえばカフェ開業の場合は、設備や什器備品、家具などがついたままの居抜き物件を改装したとしても、何百万円という費用がかかってきます。しかも、出店する場所によっては競合となる店舗との差別化戦略も必要になるでしょう。

一方の焼き芋屋さんはリヤカーもしくは軽自動車での販売となるため店舗が不要です。改装費用も不要なため、開業資金が少ないのがメリットといえます。焼き芋屋さんは競合のいないところで販売できるため、そもそも競合戦略も必要ありません。

また、カフェはコーヒーのほかケーキや軽食などのメニュー開発が必要ですが、焼き芋屋さんのメニューは焼き芋だけ。開業するための資格も必要ありませんので、資格取得のための費用や時間も節約できます。

さらに、カフェを開業する際はアルバイトやパートなどの人件費がかかるほか、接客などの教育も必要になるでしょう。一方の焼き芋屋さんは自分ひとりで開業できるため、そもそも教育が不要です。自分のペースで開業・運営していくことが可能です。

焼き芋屋さん開業のデメリット

  • 焼き芋を販売する場所の確保が難しい
  • 焼き芋屋さんの始め方がわからない

焼き芋屋さんは店舗を構えなくて済むのがメリットですが、反対に販売する場所の確保が難しいというデメリットがあります。

人通りの多い駅前ではすでに他の方に場所取りされていたり、子どもたちが遊ぶ公園では販売許可が必要だったりすることもあるため、焼き芋屋さんの起業当初は販売する場所の確保に苦労するかもしれません。

また、どの機材を使って焼けばおいしい焼き芋ができるのか、どこからサツマイモを仕入れればいいのか、値段の付け方はどうすればいいのかなど、そもそも焼き芋屋さんの始め方がわからないというデメリットもあります。

焼き芋屋さんを開業するデメリットがメリットを上回ると考えられるなら、起業に向けて検討をはじめてみましょう。

定年後に焼き芋屋さんを開業するために必要なこと

定年後に焼き芋屋さんを開業するために、必要なことについて知っておきましょう。

ある程度はスマートフォンやPCの操作に慣れておく

SNSが普及している現代においては、焼き芋屋さんであってもただの焼き芋屋さんではなく、愛される焼き芋屋さんを目指してInstagramやTwitterなどのSNSを使いファンを作ったりブランディングをしたりしていく必要があります。

SNSは、定期的に投稿してファンになってもらったり、いつどこで焼き芋を販売しているのかの情報をお知らせしたりするのにも役立ちます。最初のうちはただ投稿しているだけで誰の目にも留まりませんが、投稿し続けていると徐々に「イイね」やコメントがつくようになり、ファン化していきます。

そのためには、ある程度スマートフォンやパソコンの操作に慣れ、InstagramやTwitterから投稿できるように基礎知識や基本操作を身に付けておくようにしましょう。

自分の強みを再認識する

「ブランディング」と聞くと難しそうに思われるかもしれませんが、ブランディングとは「作る」ものではなく、自分の中にすでにあるもの、自分のなかで眠っている魅力を引き出すことを指します。

そのため、これまで自身がやってきたことや、好きなこと、得意なことといった自分の強みを再認識し、手帳やメモに書き出してみましょう。シニアから起業するにはそれ相応の勇気や体力も必要です。モチベーションを維持し続けるためにも、「自分は焼き芋屋さんを通して、どのように何をすれば社会に貢献できるか」を考えてみることも必要です。

家族に相談し、理解と協力を得る

定年後のシニア起業に限らず、これまでの生き方から新たな生き方へと進むときは、家族の理解と協力が必要です。特にシニア起業の場合は、家族が今後の生活面で不安を感じやすいといえます。

退職金を今後の生活費に充てようとしていた場合や、定年後は夫婦ふたりでゆっくりと旅行でもしながらゆるやかに過ごそうと計画していた場合など、パートナーが想い描いていた定年後の生活が、焼き芋屋さんを始めることで実現できなくなると不安に思うからではないでしょうか。

前述のとおり、焼き芋屋さんはカフェを始めるより金銭的なリスクが少なく、ひとりでもできる仕事ですが、金銭的な負担はゼロではないため、パートナーの理解が必要不可欠といえます。

また、焼き芋屋さんの事業が軌道に乗るまで金銭的な負担をかけてしまうことも考えられます。「なぜ起業しようと思ったのか」「なぜ焼き芋屋さんなのか」「起業後の生活に支障はないのか」など、家族が十分納得できるよう事前にしっかりと話をして理解を得るようにしましょう。

まとめ

定年後のシニア起業で密かに人気のある焼き芋屋さん。店舗や資格が不要、開業資金が少なく人件費もかからないとメリットが多いのが魅力です。軌道に乗るまで大変なこともあるかもしれませんが、自分をブランディングしながら、焼き芋を手にした人が笑顔になるような焼き芋屋さんをぜひ楽しみながら育てていきましょう。